2010年9月14日火曜日

【LifeHack】本水没時の対応

先日,風呂に本を落とした.比較的しっかり落とした.ここまでやったのは司馬遼太郎の妖怪以来,読書人生2度目である.

本が水没してブヨブヨになったときの対処法は


1.絞らずに,冷凍庫の中に立てて置く

これにより,基本的に対応可能である(完全に元に戻ることは無い.諸行無常である.)
この際,絞らないことが重要である.お湯に落ちた場合,本を止めている糊が溶け出しているため,外力により本のページがずれたり,取れたりしてしまう.本側面から圧縮力を書けた場合でも,内部応力としてせん断方向に力がかかっている.これにより,本の形状が崩壊する可能性がある.
一方で,水没時に水中から上げた時の水圧や水の抵抗により,同様にページのズレが発生する場合がある.
これに対応するためには

2.冷凍後,レンジで30秒加熱する

冷凍の結果,本がパリパリになっていることが確認出来る.
このときに,上記の理由より,本のページがずれたり,本のページが剥離している場合がある.加えて,水没時の本の吸水量が多い場合はページ同士が固着している事がある.
この場合は,ページのズレや剥離を直そうとせず,加えて絶対にページの固着を外そうとせずに,レンジに入れ,30秒間加熱する.これにより,糊が溶け出し,ページの剥離を直すことが出来る.加えて,ページの固着が解決する.

3.1に戻る.

レンジ加熱後は必ず冷凍庫に戻し,しばし待つ.


これは冷凍庫の温度が水の融点より低いのがポイントである.液体は常に蒸発と凝縮を並列的に行っている.この際,大気が乾燥している時,言い換えると湿度が低い場合は蒸発量が増加する.冷凍庫内の温度が水の融点より低いため,大気中の水分は凝縮,凝固し,庫内表面の霜となる.すなわち,大気中に放散された水分は液体ではなく,固体で存在するようになるため,冷凍庫内の湿度は極めて低くなる.これにより,本表面の水分は大気中に蒸発していく.
また,水分が凝結する際に毛細管現象により本表面ににじみだし,凝結する.(霜柱の原理と同様.) これにより,本の紙面に染みこんだ水が外にでる.
これにより,冷凍庫内の本が乾燥していく.

以上により乾燥しなかった場合は,電子レンジで加熱する.レンジはマイクロ波により水分子を陽動し,ブラウン運動を誘発し,内部から発熱させる.すなわち,レンジは物質内の水分の温度を上げる装置である.究極に乾燥しているものはレンジに入れても温度が上がらない.
紙面は水を多量に含んだ樹脂を整形し,乾燥させることにより製作する.すなわち,レンジで加熱しても,食品などのように温度が上昇することがない.一方で,水没した際に含んだ水分はレンジ加熱により温度があがる.これにより,蒸発量が増え,水分が外部に放出される.また,ページ同士を接着している糊は水分を含むため,レンジ加熱により温度が上昇する.本を製作する際に使用する糊は高温で溶け出す特徴がある(ホットボンドのようなもの).これにより糊が再び紙面にしみこみ,ページ同士を再接着する.

以上が原理である.

ページがずれてしまった場合は,乾燥後,カッター等で切断するしかない.無理に戻しても形状の崩壊を招くだけである.

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